旅のはじまり


 それは、ある夜のこと…
 今日は学校…。5時ごろにおわって帰ろうとすると……。
 後ろから、妙な気はいがした。
「ねえねえ、知ってる?」「え?」「この学校ユーレー出るのよ?!」
 大草?…かと思へば
「だから、今日きもだめししようよ!!」「え?!」
「今から?」
「そう、学校にかくれてるのー」
「いやよー」
「やるの!」「えーー…」

 そして……。
「もう、誰もいないわ」
 かくれてたB子が顔をだした。
 そして校舎に入った。
「あれ?A子は?」
 そして…。2人はA子をさがすたびへと出かけたのである……。(RPG調)
 街に出ると ある老人にであい、A子の消息をたずねたもう。老人言ふ「しらん!」
 老人、虫のいどころがわるいらしくおこられ給ふ。
「なによあのクそじじい!」
 B、怒りたもうに、C、
「まあ、いいじゃない」
 と、となえたてまつる。

 ゆきゆきて三鷹の森に入り給う。井の頭といふ町にて、一夜をもとめ給ふに、吉祥寺から帰る童ら、たそがれ時にこの2人の立てるを見て、
「森の鬼こそ来たりたれ、人みな出でよ」ともうす。
 家の内にもさわぎ立て、女、童は泣きさけびこいまろびて、くまぐまにかくる。
 老人、2人を追ひけるが、2人、止まる事を知らで。
「なんか、アイツ追っかけてくるー!」
「もっとスピードあげよう!」
 2人、さらに走り給ひ、老人息もたえだえ。

 2人、くまぐまにかくれるに、老人、見つけ給うて、
「おい…出てこい!!」
 と、どなりたてまつらん。
 2人、絶体絶命の危機になりたもう。
 老人云ふ。
「お主ら、Aをさがしそうろう」
 と、たずねるに、2人、
「はい」
 と返事し、立つ。
 老、云ふ。「Aは、ここにはおらぬ。ここは立入りキンシじゃ」
 よく見まわせば、立入禁止のかんばんが在りぬ。
「あ…本当だ…」
 2人云ふに、老、「内緒にしといてやろう」と云ふ。
 2人、更に云ふ。「あなたは?」と、たずねたもうに、
「なんじ、決心は、つきそうろう?」
 と、問ふ。
「はい!」
 2人、同時に応へたもう。
 老、云ふ。「なんじ、この先の森を、こえ、山に行け。ともすれば、Aに会ひなんかし」
 と、となえたてばつれば、2人、
「はい」と、いせいのよさを出したもう。
 2人、行き行きて、森の中に入り給う。中は、おそろしい程の暗きをも知りぬ。足元さへ見へなんかし。
「キャア!」
 B、さけぶに、C、「どおしたの?!私は大丈夫よ?!」
 と、説をとなえたもう。
「足に、からまってしまったの!」と、C、のぞくに、
「何も見えなんかし」と、云い給う。
「さわれば、わかりぬ!」
 B、イラついて叫び給う。
 C、Bの足をさわりたもうて、
「なんかのつるみたい」
 B、それをお聞かせたもうて、云ふ。
「何いってるのよ!!!」
 と、怒鳴り給うに、C、愛そをつかして森の奥へと進み給ふ。
 B、「まってよ!!まって下さい!!」と、叫びつるに、C、止まる事を知らで。
 しまいにはB、Cの悪口いいたもう。
「逆ギレせずともよきにはからんを…」
 C、上から叫びつるに、
「B、おぼえてらっしゃい」
 と、六道リンネをとなえたてまつるに、B、
「そもさん、何のしょいぞ!!」
 と、カツを入れる。
 すると、Bの足にからまりしツルが切れたもう。
「わーい。C、このご恩忘れがたきこと!」
 と、B、Cに礼を云いたもう。
「え?!そんな事ないわよ!!」
 と、恩をこうるに、B、とびつきたもうて、地に額をすりつけ、涙をながしてむせびけるのだった……。
「ちょ、ちょっと、やりすぎ」
 C、Bをたしなめたもう。
「帰ったら、おれいするね?」
 B云う。C、笑いつつも
「それよりAをさがさなくては」
 と、いつになく真剣な表情を見せたもう。
 Bも、やがて(すぐさま)立ちたもうて、森の奥深き歩きたもう。


    2へ続く



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